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反TPP,マイナンバー,新自由主義

TPPに反対!マイナンバーに反対!新自由主義に反対!監視国家化に反対!左翼、保守という政治的立場を離れて戦え!

【TPP】TPPは衰退しつつある日本の農業に追い打ちをかける

日本の農業は、TPP以前の問題として衰退しつつある。

私は田舎に住んでいるので、それがよくわかる。あたりを見渡せば、耕作放棄地が広がり、草ぼうぼうになっている。空き家も多くなった。畑や田んぼで働いているのはじいちゃんやばあちゃんだけ。

ある時、親戚の農家の人と話したことがある。

「政府がTPPを見据え、不耕作地の固定資産税を上げようとしている。不耕作地を農家に手放させ、企業経営にするためだ」

そう言ったら、彼は不思議そうに首をひねって言った。

「いったいどこの企業がするのか?不耕作地の集積はずっと前から政府の政策で進められているが、全然はかどらない。企業がやったところで割に合わないだろう。外国資本が日本の農地を買収したとして、日本のような狭い耕地が点々としているところで、採算がとれる農業経営ができるとは思えない」

実際そうなのだ。耕地は狭く点在しており、専業農家で食べていける人はほとんどいない。農家と言っても、兼業が9割を占め、勤めに出たり、農業以外の仕事を自営でしている。

戸建てに住んでいる人はたいてい家庭菜園をもっている。趣味と実益を兼ね、楽しみながら作業をしている。それはいいことだけど、農業と言えるほどのものではない。

農業で生計を立てるということは大変なことだ。

高齢化、働き手不足、後継者不足。

外国人を入れるなという人もいるが、中国人や他の外国人労働力なしには、現実問題としてやっていけない専業農家も増えてきている。

 

この状況は、日本全国どこでも変わらない。

以下は、鹿児島の状況を伝える南日本新聞の記事:

[農業人口減少] 現実直視し対策強化を
( 12/6 付 )

 農業離れに歯止めがかからず、若手の就農も伸び悩む。日本農業の深刻な状況があらためて浮き彫りになった。

 2015年の「農林業センサス」(速報値)によると、農業就業人口は209万人で、5年前の前回調査に比べて51万人減少した。

 鹿児島は約1万6400人減り5万7800人だった。減少率は22.2%で、全国の19.8%を上回った。平均年齢は1.1歳上がり66.3歳だった。

 厳しい現状に環太平洋連携協定(TPP)が追い打ちを掛ける。安い農産物の輸入が増えれば離農に拍車がかかり、農業の弱体化につながる恐れがある。

 TPPの発効にかかわらず、新たな担い手の育成は待ったなしだ。政府は現状を直視し、対策を急がなければならない。

 県のまとめによると、65歳以上が61.8%を占める一方、40歳未満は6%にとどまる。10年前に7400人だった40歳未満は3500人と半減した。

 経営合理化に効果があるとされる組織経営体は前回より17.4%増加した。ただ、それでも全体の3%にすぎず、家族経営体が大半を占めているのが実態だ。

 農林水産省が発表した全国のデータも鹿児島と同様の傾向を示している。

 政府がこれまで力を入れてきたのが農地の集約だ。だが、経営体当たりの耕地面積は0.3ヘクタール増と小幅な伸びだった。

 農業の持続的な発展のために法人経営などに集積する方向性は間違っていない。地道な努力を重ねていくことが重要だ。

 深刻なのは耕作放棄地の拡大である。1年以上作付けせず、今後も数年間耕作予定のない土地は7%増えた。放棄地面積は過去最大を更新し、富山県と同じ広さという。

 鹿児島は全国上位の耕作放棄地がある。その中で4.5%減少したのは歓迎できる。放棄地解消に向けて県や自治体などが取り組んだ成果といえる。ただ、高齢化や不在地主の増加で、高止まりした放棄地の解消は容易ではない。

 農地の集約を目指す「農地中間管理機構」の昨年度実績は目標に遠く及ばなかった。農地活用のためにさらに知恵を絞りたい。

 政府がまとめたTPP対策大綱は、農林水産物の輸出額を1兆円とする目標を前倒しするなど、威勢のいい目標を並べた。だが、具体化への道筋は見えない。

 重要なのは、若い担い手が希望を持てる魅力ある農業にすることだ。長期的視野に立って農業強化に取り組むべきだ。

 農業の持続的な発展のために法人経営などに集積する方向性は間違っていない。」

この部分、「法人経営」とは企業経営に限定されていない。今までの家族経営以外の経営形態が必要だという意味。現実問題として、家族経営は不可能になりつつある。

*政府がまとめたTPP対策大綱は、農林水産物の輸出額を1兆円とする目標を前倒しするなど、威勢のいい目標を並べた。だが、具体化への道筋は見えない。

現実の農家と農業のありかたを考えれば、政府がTPP政策大綱でいっていることなど不可能だ。

 

日本の農業はTPP云々以前の問題として、危機に瀕している。そして、この「危機に瀕している日本農業」にTPPが追い討ちをかけることになる