読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

反TPP,マイナンバー,新自由主義

TPPに反対!マイナンバーに反対!新自由主義に反対!監視国家化に反対!左翼、保守という政治的立場を離れて戦え!

【TPP】TPPは日本人を英語人と日本語人に分断する

施 光恒(せ てるひさ)さんのインタビューがとても面白かったので紹介しておきたい。

f:id:qeeustillness:20151126161642p:plain

TPPはなぜ突然"大筋合意"された?

――私がいつも思うのは、TPPの交渉過程が非常に不透明だということです。今回も、あれよあれよという間に話が進み、大筋合意に至ったという印象です。TPP問題は民主党政権時代に当時の菅直人首相が交渉参加の方針を打ち出したことで表に出てきました。しかし、自民党に政権が交代しても、方針は維持され、交渉が進められてきました。なぜ政権が変わっても、政府がTPPを推進しているのかが私にはわかりません。その辺りを教えていただいてもよろしいでしょうか。

端的に言えば、自民党もアメリカの意向を無視できないということでしょう。TPPは本をただせばアメリカの輸出拡大・雇用創出政策です。リーマン・ショックまでのアメリカは、自国民に過度の借金をさせながら海外から大量の製品を輸入し、世界の消費を牽引してきた。しかし、リーマン・ショックでアメリカの国民も、そして企業も大きなダメージを受け、政策転換が起きたのです。対外的には、アメリカのサービスや製品を買ってくれということですね。それによって雇用を産み出そうという狙いです。つまり、アメリカが外需を取りにいくためにTPPの枠組みが生まれました。日本はアメリカに安全保障の面で依存していますので、民主党だろうが自民党だろうが、アメリカの言うことはきかないといけないというのが現実的な話なのでしょう。政権が変わってもTPP推進が変わらなかったというのは、ある意味当然ではないでしょうか。

――政権が変わっても、アメリカ追従は変わらないというわけですね。

アメリカについて行けば安心だというのが、自民党の主流派の見解です。今回、大筋合意に至る過程でも、自民党議員が「アメリカのリーダーシップに期待する」と語っていたことからもわかるように、アメリカを相手に日本の国益をかけた交渉をしているという意識が欠けています。アメリカが日本に不都合なことをするはずがない、アメリカがリーダーシップを発揮してくれれば、日本は安泰だと信じている議員が多いのではないでしょうか。

――政治家はあまり深くは考えていないというわけですね。

もう一つのポイントは、ここ数年、日本の大企業のグローバル化が進み、もはや「日本」企業なのかどうか分からなくなっているということです。東証の上場企業の株式の3割は外国人が保有しています。そうした企業にしてみれば、日本にTPPに参加してほしいんですね。結局、民主党だろうが、自民党だろうが、グローバル化推進という路線は変わりません。自民党は財界とのつながりが深いので、政権交代前にはTPP反対を掲げていた自民党が推進派に舵をきったのは当然でした。

――輸出もしたいし、株式も握られているからと。

TPP推進派は、外国で商売しやすくなると考えているのではないでしょうか。確かにグローバル企業が域内で活動しすいようにTPPはできています。しかし、海外から安い製品が大量に入ってくることで、日本に根を下ろしている企業は衰退し、日本の労働者もダメージを受けるでしょう。一般の日本人にとってはデメリットが大きいのです。

TPPのデメリットとは?

――今、先生は、一般の日本人にとってはデメリットが大きいとおっしゃっていましたが、そのデメリットとは、具体的にはどういうことでしょうか。

まだ日本はデフレから完全に脱却できていません。海外からどんどん安い製品や農産品が入ってくると、デフレが悪化してしまいます。海外から安い物が入ってくるということは、国内の生産者はそれに対抗して生産コストを下げるため人件費を削っていかなければいけません。そうなると、デフレ脱却は不可能です。TPP推進派のマスコミは、米や牛肉が安くなると言って、メリットばかり強調していますが。

――私もそうした報道に大変違和感があります。米や牛肉を生産している国内の生産者にはあまり目が向けられていませんね。

TPPでは確かに食品など安いものが入ってきますけれども、それ以上に日本の生産コスト、とくに人件費を下げなければいけなくなります。農産物だけでなくて、工業製品もそうです。ですから、海外から安いものが入ってくるというのは、消費者の側面としては一見メリットがありそうですが、生産者としてはそれと競争しなければならないので困ったことになります。物価は下がりますが、賃金はもっと下がってしまう。実質的にも賃金は下がりますので、結局、デフレはより悪化することになります。多くの日本人にとって望ましくないことは明らかです。

――先生は政治学がご専門ということなので、TPPと安全保障の関係についてもう一度、お聞きします。経済的にはデメリットが大きいというのにTPPに入るということは、安全保障をアメリカに頼りたいがために政治家はTPPを推進しているということでしょうか。

アメリカは日本をTPPに加入させるために、外交カードの一つとして安全保障を使ってきたのは事実です。だからこそ、民主党政権のときに、どんな理由をつけてでも交渉参加を表明するべきではなかったのです。いったん交渉参加してしまえば、結局はアメリカに対して強く出られないだろうと私は思っていました。実際にそうなったと思います。

――民主党政権のときに、参加を表明してしまったがために、やらざるを得なくなったということですか。

そうです。推進派の方は、TPP参加の経済的メリットをきちんと説明できていません。経産省の楽観的な試算でさえ、10年間で3.2兆円のGDPアップに留まります。日本のGDPは約500兆円ですので、10年間で3.2兆円ということは、500万円の年収の家庭になぞらえれば、10年間で3.2万円の収入のアップだということになります。大した額ではないですよね。10年間で3.2兆円というわずかな額のために、国内の制度が大きく改悪される。農業ひとつをとっても、ほとんど壊滅状態に追い込まれるわけです。とても割に合いません。このように、推進派が正当な論拠を見つけられないがために、最近はTPPのメリットとは実は中国の封じ込めであるとか、韓国経済に対して有利な立場に立つためだとか、ねじれた話になってきているような気がします。

――安倍政権はJAに関しても厳しい態度で臨んできました。先生もおっしゃったように、TPPは農業を弱体化してしまうという恐れがあると思いますが、どのようにお考えでしょうか。

農業を市場原理の中でしか考えられないというのが問題です。ヨーロッパやアメリカは、補助金で農業を守っています。先進国はどの国も市場原理だけで農業を考えていません。 食糧安全保障は国民の命に関わるからです。日本のJA解体をめぐる議論というのは、食糧安全保障を忘れ、農業を市場原理のみで考えよう、という安直な思考に乗っ取られた結果です。とてもおかしな話です。「攻めの農業」と安倍さんがしきりに言っていますが、恐らく日本で生き残る農業というのは、ごく一部に過ぎないでしょう。輸出に特化した高級志向の農業は各地にほんの一握りだけ残ると思いますが、そのためには土地の集約化や農業の株式会社化が必須です。結局、今の地域社会は壊れてしまいます。土地を集約化していきますので、先祖代々の土地という発想はなくなります。効率化された農業は、人の手をあまり使わないので、離農する人々も増えるでしょう。これでは地域社会はもちません。

――かなり代償が大きいですね。米や牛肉が安くなるとか、そういう話ではないですね。

地域社会が壊れてしまうでしょう。

――みんな都市に集中するということですか。

そうですね。JAや郵便局は、地域のインフラです。金融機関が支店を置けないようなところも、協同組合である農協、JAは置いているわけです。ですが、民営化されてしまえば採算のとれない支店は、今後徐々に閉鎖されていくでしょう。生活のインフラがなくなってきますので、地方に人が住めなくなっていきます。

背景にあるのは"冷戦思考"?

――自民党は元々、農業、地方に基盤があるような政党だったはずです。地方を破壊するようなことをどうして行うのか理解に苦しむところですね。

自民党の性格が変わってきたんでしょうね。中選挙区制の時代には地方に基盤をおいていたのですが、小選挙区制になって、だんだん都市型政党になってしまったということが大きいですね。小選挙区制だと、政治家は党の公認さえ得られればよいと考えます。地方に地盤をしっかり置き、選挙区の声に耳を傾けようとする動機付けがほとんどなくなってしまったんですね。

――安倍さんは傍流かもしれないですが保守。その安倍さんがこういうことをやるというのは、ちょっとよくわからないというところがあります。

日本の保守は、戦後は伝統的に親米派です。安倍さんの頭の中では、保守は親米で、共産主義に対抗して市場重視であるべきだという冷戦時代のイメージが強く残っているのではないかと思います。ですが、保守の真髄は、日本の文化や伝統、あるいは国民生活を守るということにあります。伝統や文化を次世代に伝えていくのに必要な家族や地域共同体を守るということが根本になければなりません。安倍さんの頭の中は冷戦時代のままで、社会主義、共産主義に対する市場重視という考えから離れられないのだと思います。

 

――TPPが日本の地域社会、伝統を壊すというお話を伺いましたが、英語ということに関しては、保守、革新も問わず、勉強しなければいけないというような風潮はあると思います。英語が小学校3年生から必修になるという話もありますが、先生が『英語化は愚民化―日本の国力が地に落ちる』をお書きになった理由を教えていただいてもよろしいでしょうか。

この時期に刊行した理由はTPPとも大いに関係があるのです。ヒト・モノ・カネが今まで以上に自由に動き回るようになる、TPPという巨大な経済圏において、実質的な「公用語」は英語です。日本がアメリカに次ぐ2番めの地位を維持するためには、多くの日本人が英語ができないとまずい、と政府は考えたのでしょう。TPP交渉と並行するかのように、政府は英語化を急激に進めてきました。たとえば、小学校で英語が正式教科化され、一流大学の授業も5割を英語化することを目標にすると文科省は言っています。企業でも公用語を英語にするところが増えています。しかし、こうした英語偏重によって、日本社会はおかしくならないのだろうか、と私は危惧します。格差社会化しないだろうか、民主主義は大丈夫なのか、分厚い中産階級がますます損なわれていくのではないか、日本の文化とか学術の発展が阻害されないだろうか。そういう問題意識です。

 

――そういうことが現実に起きうるのでしょうか。

あくまでもアメリカ主導のもとで日本は生きていくのだという現在の貧困な発想の行き着く先は、そうならざるを得ないでしょうね。

――確かに、TPPによって、公共事業を発注する政府調達も外資系企業に開放するということになるということですが、そうすると英語で仕様書をつくらなければいけなくなるんですね。

外資が公共事業を請け負うために、行政の許認可についても英語で対応できるようにということで考えているようです。

――それが英語化を招くわけですね。

外資に対してオープンにしなくてはならない公共事業は国レベルのものだけではありません。国家公務員だけでなく、地方公務員にも英語力が求められるようになるでしょう。それを視野に入れて、教育などの英語化を加速させようということが、一緒に並行して進んできました。

英語ネイティブや旧英米植民地の国民には勝てない

――私たち日本人は日本語で物を考えていますが、英語で考えなければいけなくなるということですか。

仕事や教育の現場で、英語を使わなくてはならない場面が増えるのは確実です。「だからこそ、英語教育の推進を」という政策の流れになっているのですが、これは日本の国力という観点から見ると愚策です。普段、母国語である日本語を使って思考をしている日本人が英語で思考を始めたら、大ざっぱな考え方しかできなくなります。母国語を使って思考するのが、人々の力を最大に発揮する鍵なのです。ですから、TPPやグローバル化に対応するために日本の社会を英語化し、日本語での知的生産を止めてしまえば、結果的に、日本は負けてしまうのです。

――英語のネイティブではない日本人は、TPPのような英語優先の経済圏に組み込まれて、日本人が英語でビジネスをしなければならないようになったら、交渉などで勝てるはずはないですね。

そのとおりです。日本国内ですら英語で重要なビジネスをすることになれば、日本は大きな損失を被るでしょう。日本人は結局、英語のネイティブ・スピーカーには勝てません。それだけでなく、現在、日本よりも経済力の弱い、旧植民地である途上国の国々にも負けてしまうかもしれません。彼らは100年以上前から英語を使っているわけですから。

現在、日本国内では日本人が当たり前のように知的に高度な職種についていますが、そうした職業のポジションも、英語を話せる人々に奪われていくと思います。例えば、大学の教員も英語のネイティブ・スピーカーにとってかわられるのではないでしょうか。実際、国立大学では1500人ほど外国人教員を増やす予定です。

――日本人がいくら頑張ったところで、TPPに参加しているマレーシアやシンガポールなど既に英語化している英米の旧植民地の人たちには勝てないでしょうね。

拙著でも指摘したのですが、世界には英語のネイティブ・スピーカー(英米人)を頂点にしたヒエラルキーが厳然として存在します。英米人に次いで、2番目の階層は旧植民地の英語を公用化している国の国民、3番目が英語をあくまで外国語として習い、話す日本人などです。日本人は3層構造の序列の3番めの階層から抜け出すことが難しい。だからこそ、非英語圏の雄である日本は、自国の英語化で世界全体の英語化という不公正な試みに加担するのではなく、各国が母国語で政治や経済を行う多元化の世界秩序作りを目指すべきなのです。

英語を話せる「英語階級」と、英語が不得意な「日本語階級」に分断

――言葉ってすごく細かくて繊細なもので、きちんと使うためには相当な修練が必要なわけですよね。

英語で執務する仕事のポジション争いで、英語のネイティブ・スピーカーに勝てる日本人というのはほとんどいないのではないでしょうか。

――こういうことを政府の人たちはわかっているんでしょうか。

認識していないと思います。

――楽天の三木谷さんが社内の英語を公用化したことが先進的な試みとしてとりあげられていますが、そうなると格差社会になるわけですね、結局。

同じ日本人でも、英語を話せる「英語階級」の日本人と、英語が不得意な「日本語階級」の日本人とに分断されてしまうでしょう。大多数の日本人は「日本語階級」ですね。今よりもはるかに貧しくなるでしょうし、人生の選択肢も著しく減っていくのではないでしょうか。

――日本は出版物の点数が多く、多数の日本語で出版される書籍が日本人の知的能力を高めているという面があると思います。私も日本語の記事を書いて、それを仕事としていますが、英語は受験で勉強したぐらいで流暢には話せません。そういう人は「日本語階級」になってしまうんでしょうか。

そうですね。日本語マーケットがどんどん縮小していくということになるのではないでしょうか。

「TPP=英語化」は、文化とか教育、民主主義に大きく関わる話

――まずいですね。マスメディアの人たちは気づいていないのですかね。自分たちの職がなくなるわけですよね。出版、新聞、放送などがそうですね。

もっと気づいてほしいのですが…。大学の英語化が進むと、専門書の出版が日本語でなされなくなります。まず、学術の場から日本語が追い出されるということです。そうすると、時代の先端をいく新しい用語が、日本語のなかに生まれなくなっていき、日本語そのものが衰退していきます。また、市場の大きさという意味でも、世代が変わっていくごとに、縮小していくのではないでしょうか。さらには日本語メディアの質も落ちるでしょう。新聞も、いわゆる高級紙は英語の新聞になって、日本語のメディアはレベルの低いものだと思われるようになるのではないでしょうか。

――民主主義もおかしくなりますね。

政治や経済など重要な事柄を日本語で話せなくなっていくかもしれません。たとえば、TPPの「暫定案文」の全文は、いまだに日本語に翻訳されておらず、国民的議論をしようにもすることができない状況です。一部財界の人にとっては、このほうが都合がいいのかもしれないですね。

――デモとかしなくなるということですか。TPPは経済の世界だけなのかと思っていたのですが、文化とか教育、民主主義に大きく関わる話ですね。

はい。すべての国民が母国語によって議論に参加できるということが、民主主義の当たり前の条件です。「英語階級」の日本人だけが、日本の政治について議論できるというのは、どう考えてもおかしいでしょう。

――暗澹たる気持ちになってしまいますね。子供に英語を習わせたりしているのですが、そういう背景があるとなると、なんとなく抵抗したくなるというか…。でも、抵抗できないようにするためにTPPがあるわけですよね。

日本語で十分豊かな生活ができて、日本語で高い教育が受けられて、日本語で専門職を含む様々な職業に就けるという環境を守るのが国の政策のはずです。ですが、最近、政府がきちんとした機能を果たさなくなってきています。

――誰しも、生まれ育った国の言葉でしゃべりたいということがあるわけで、そこで英語化が進んでしまうと、英語ができる人だけ上に上がってしまうという。

次世代の日本のエリートは、英語はそこそこしゃべれるけれども、日本人的な感覚は持っていないのではないでしょうか。小学生のときから語学留学をして、小学校で英語教育が始まると、いい中学に入るために英語が必要になる。小学校のときから留学して英語を身に着けた子どもだけが、中学校、高校、大学と一流と呼ばれるところに進むようになります。

現在すでに文科省の指導で、一流大学といわれるところでは、どこも英語だけで卒業できるコースを作ろうとしています。すべての学部で英語コース、英語だけで卒業できるコースをつくらないと予算削減などの憂き目にあいますので。エリート層には英語がある程度しゃべれる人たちが増えてきます。ですが、そういう人たちは日本語での思考は怪しいでしょうし、英語も中途半端です。日本人的な常識とか日本人的な感覚を持っていないという"英語エリート"が、10年、20年の間に増えてくるのではないでしょうか。

ただ、これは政策の問題です。私にもし子どもがいたら、『英語化は愚民化』などという本を出していても、子どもが将来貧しくなったり、大学で勉強できなくなったりするのは困るので、英語を習わせなくてはいけないと考えてしまうでしょうね。しかし、そのような選択を個人に取らせるようにせまる政策がおかしい。

――私も、そうした矛盾した考えを持ってしまいそうです。

私は、英語学習を否定しているのではありません。英語ができないと豊かになれず、高等教育も受けられないような環境をつくる英語化政策を批判しているのです。TPPも、そういう日本をつくるためのものなので、批判しているわけです。

 

――たとえば、先生のお話を理解した人は、どうすべきなんですか。

グローバル化とかボーダレス化とか、そういう耳当たりの良い言葉に騙されずに、危機感をもって常識的に深く考えてほしいと思います。そして、政治家に声を届けてほしいと思います。日本人は大人しすぎるところがあると思うんです。もう少し自分の常識を信じて、政治家に声を届けてもいいと思います。

常識的に考えて、日本人が、イギリス人やアメリカ人に勝てるほど英語が上手くなれるはずがない。英語にどんなに時間と労力を注ぎ込んでも、超えられない壁は存在します。英語化する社会に住むのであれば、我々の子孫が苦しむことになります。真面目に考えてほしいですね。そうしたまともな考え方が日本のエリートたちから失われているよう気がします。真面目に、日本国民の将来を考えてほしいものです。

――もう一度、国際関係を考えてみたいのですが、日本はTPPというアメリカ陣営に入り、一方で中国を敵視する傾向があります。しかし、TPPや英語化にメリットのないことが明らかなのであれば、なぜアジアと協調しないのか、という疑問がわいてきます。そして、なぜそこまでアメリカに追従するのかも不思議でなりません。

日本人にとって国際社会というのはアメリカしか目に入っていないのではないでしょうか。自民党がもし保守政権だと自己規定するのなら、まずは社会の基盤である母国語や文化を守らなくてはなりません。それもできずに何が保守なのか、と思います。

――先生のお考え、大変良く分かりました。本日はお忙しい中、本当にありがとうございました。

 

*先生のお話を理解した人は、どうすべきなんですか?

という問いに対する施さんの答えは、「政治家に声を届けてほしい」という非常に大人しいものだった(笑い)。

施さん自身も「大人しすぎる日本人」の一人ではないか?

結局、民主党だろうが、自民党だろうが、グローバル化推進という路線は変わりません。

と言う施さん、そんな政治家たちに「声を届けて」なんの意味があるのか?この点において、施さんの発言は矛盾している。

「声」以上の何かが必要なのだ。彼らを狼狽させる何かが。

地域社会が壊れてしまうでしょう。

保守の真髄は、日本の文化や伝統、あるいは国民生活を守るということにあります。伝統や文化を次世代に伝えていくのに必要な家族や地域共同体を守るということが根本になければなりません。

自民党がもし保守政権だと自己規定するのなら、まずは社会の基盤である母国語や文化を守らなくてはなりません。それもできずに何が保守なのか。

今の日本の大多数の政治家たちは保守どころか、私たちの生活と伝統と文化を殺そうとしている連中なのだ。もう「保守」という偽善に満ちた言葉は捨て去り、「死守」という言葉を以って、彼ら「偽りの保守政治家たちと政党」に対峙すべき時が来ている。